融資を受ける際の金融機関の選び方は、事業活動において非常に重要なポイントです。この記事では、様々な金融機関の種類とその選び方について詳しく解説し、最適な金融機関を見つける方法を紹介します。

金融機関の種類と特徴

都市銀行(メガバンク)

都市銀行は、全国規模で営業する大規模な銀行で、メガバンクと呼ばれることもあります。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行がメガバンクに該当します。

都市銀行は大企業や政府機関との取引が多いのが特徴であり、営利目的で金融事業を行っていることから、小口の融資にはあまり積極的ではないため、事業規模の小さい中小企業にはあまり向いていません。事業規模について特段決まった基準はないですが、年商10億円以上というものがメガバンクとの付き合いを検討するラインとしてよく言われています。融資額で言えば数千万円以上が目安になるかと思います。

地方銀行とその役割

地方銀行は、 本店を置く都道府県やその周辺地域など、特定の地域に根ざして営業する銀行です。東京スター銀行、横浜銀行、静岡銀行等様々な地方銀行があります。地方銀行は株式会社であるため都市銀行(メガバンク)と同様に営利目的ではありますが、特定地域の中小企業や個人事業主に対して、融資やコンサルティングなどの地域密着型のサービスを提供しているため、顧客との関係が密接なのが特徴です。裏返せば、全国展開やグローバル展開をしているわけではないため、都市銀行と比べて、資金力やネットワークが劣るという特徴もあります。地方銀行の中で迷うときは、イベントやセミナー、相談会等の実施状況を確認し、自社のニーズに答えてくれそうかという点をみるのもよいと思います。

信用金庫と信用組合

信用金庫は、地域住民や中小企業が出資して設立された金融機関であり、信用組合は、特定の職業や団体に属する人々が出資して設立された金融機関で、どちらも特定地域の住民や中小企業の経済活動を支援することを目的とした金融機関です。地域密着である点は地方銀行に近いですが、信用金庫と信用組合の方がより地域密着度が高く、かつ、地方銀行とは違い非営利法人であることが特徴です。

政府系金融機関(日本政策金融公庫および商工中金)

政府系金融機関は、政府が出資している金融機関で、日本政策金融公庫や商工中金が該当します。

日本政策金融公庫には政府によって100%出資されており、民間金融機関の補完的な立場であるとされています。そのため、銀行からの融資が難しい場合も融資が受けられる可能性があります。日本政策金融公庫の中には、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つの事業がありますが、それぞれ別の金融機関であると考えてしまって問題ありません。年商による明確な区別はないためあくまで目安ですが、国民生活事業は創業したてから年商5億程度の小さめの企業を中心に取引を行っており、中小企業事業はそれ以上の比較的大きめの企業を対象に取引を行っていると考えてよいと思います。融資希望額が数百万〜数千万なら国民生活事業、数千万〜数億なら中小企業事業を選択するという考え方でも問題ありません。農林水産事業はその名の通り農業や漁業、食品産業の会社に対して融資を行っています。

一方で商工中金も政府が出資してはいますが、出資比率は約50%であるため、半分は民間の金融機関だと言えます。そのため日本政策金融公庫に比べて営利性が強めであり、あくまで目安ですが年商5億程度以上の企業(あるいは数千万以上の融資)を中心に融資を行っています。

融資をお願いする金融機関の選び方

金融機関を選ぶ際のポイント

どこから融資を受けるかを判断する際には、自社の規模や資金ニーズに対応した金融機関を選ぶことが重要です。

先に金融機関の種類と特徴について記載しましたが、営利性が高いほど審査が厳しくなる傾向があります。つまり、政府機関や非営利法人よりも営利法人の方が審査が厳しいと考えてよいです。

そのため創業したばかりなど、事業規模が小さいときは日本政策金融公庫や信用金庫等に相談するとよいでしょう。規模が大きくなってきたら地方銀行にチャレンジし、最終的にはメガバンクへにチャレンジするのもよいと思います。

また、金融機関の担当者との相性は間違いなくあるので考慮すべき思います。担当者が他の案件等で忙しくてなかなか相談に乗ってくれないということもあります。業績も非常によく、金融機関にとっても確実においしい取引であるのに融資のコミュニケーションがうまく進まない場合は、担当者のキャパシティが足りていない可能性があります。あまりに対応がひどい場合は担当を変えていただくことも可能ではありますが、コミュニケーションは慎重に行う必要があります。

一方で銀行は転勤が多いため、定期的に担当者が変わることがあるので、相性だけで一人の担当者(あるいは一つの銀行だけ)に依存しすぎるのもあまりお勧めはしません。

複数の金融機関と付き合うメリット

融資の依頼を行うときは複数の金融機関に相談するようにしましょう。複数の金融機関と付き合うことで、以下のようなメリットがあります。

ただし、準備をせずに融資に挑んで審査に落ちてしまうと次回審査の難易度が上がってしまうことがあるためしっかり準備は行ってから相談するようにしましょう。

金利や手数料が有利に :金融機関の間での競争が起きれば、より有利な条件で融資を受けられる可能性があります。

時間の節約:ある銀行に融資を断られてしまった場合でもすぐ次の銀行が控えていることになるので、リカバリー対応が迅速に行えます。

情報の活用:複数の金融機関と相談することで審査のポイント等得られる情報が増え、次の融資に向けた活用が可能になります。

参考:メインバンクとは

メインバンクは、最も利用頻度の高い金融機関のことで、日常的な取引や資金管理の中心となる存在です。「貴行がメインバンクとしてお願いします」という形で企業からお願いしたり、金融機関から合意をとったりものでもなく、会社が成長するにつれて融資等によって取引を受ける金融機関が変わる中、その時々で最も利用頻度が高い金融機関をメインバンクと呼びます。借入などを積極的に行っている金融機関があれば通常はその金融機関がメインバンクになるでしょう。

まとめ

会社の状況に応じた金融機関を選ぼう

金融機関を選ぶ際には、自分の資金ニーズや事業規模に合わせた最適な金融機関を選びましょう。また複数の金融機関とコミュニケーションをとるように意識しましょう。銀行間に競争が生じれば、自社にとって最も有利な条件を選択することができます。

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